こんにちは。

"HIROSE, Masaaki" <hirose31@xxxxxxxxxx>さんの
<yf1smb1ovdc.wl%hirose31@xxxxxxxxxx>
"[mysql 09955] Re: データのロックについて"


> REPEATABLE READ ではノンリピータブルリードは発生しないので、MySQL (の
> InnoDB) も含めて、ACID 特性をちゃんと実装している RDBMS の仕様通りの挙
> 動だと思います。

　うーん。まあ、そういうものなんですから、とやかく言っても始まらない、と
言えばその通りなのですが。


　REPEATABLE READの通常の説明は、「イン・トランザクションでselect結果の
一貫性が保たれる」です。SQL92によれば、トランザクションは明示的に開始さ
れるか、insert/update/deleteのクエリが実行された時に開始される、とありま
す。そして、端末２は"set autocommit=0"以外は全てselectクエリです。

　つまりselectクエリしか出していない端末２は、イン・トランザクションでは
無いので、分離レベルREPEATABLE READの範囲外ですね。トランザクションが開
始されていないにも関わらず「イン・トランザクションで云々」の文言を適用す
るのはナンセンスでしょう。

　ACID特性についてひろせさんは言及されていますが、これもイン・トランザク
ションの場合についての事ですから、この現象の有効な理由付けにはならないと
思います。

　さて、MySQLのREPEATABLE READの説明は、

> In consistent reads, there is an important difference from the previous
> isolation level: In this level, all consistent reads within the same
> transaction read the same snapshot established by the first read.
> このレベルでは、同じトランザクション内のすべての一貫した読み取りが、最初
> の読み取りで確立されたスナップショットを読み取る

ですね。これも「イン・トランザクションでselect結果の一貫性が保たれる」な
通常の説明と同じ意と言っても良いのですが、現実にはトランザクションが開始
されていなくてもスナップショットの作成とそこからの読み出しが起こっている
と考えられます。この説明としては、

・イン・トランザクションであろうがなかろうが、最初のselectでスナップショッ
  トが作られ、それからの読み込みが継続される仕様にMySQLはなっている。
  (REPEATABLE READの説明との齟齬)
・実はselectクエリでも暗黙のトランザクション開始をしてしまう仕様にMySQL
  はなっている。(SQL92との齟齬)

などが考えられますね。


　　　　松枝知直　　　　<tomom@xxxxxxxxxx>
　　　　　　　　　　　　http://www.argus.ne.jp/~tomom/