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mysql:16648

From: Horimoto Yasuhiro <Horimoto Yasuhiro <horimoto@xxxxxxxxxx>>
Date: Tue, 01 Jun 2021 11:45:48 +0900 (JST)
Subject: [mysql 16648] [ANN] Mroonga 11.03

こんにちは。Mroongaプロジェクトの堀本です。

Mroonga 11.03をリリースしました!

リリースアナウンス:
   https://mroonga.org/ja/blog/2021/05/31/mroonga-11.03.html

MroongaはMySQLで日本語全文検索を実現するストレージエンジンです。高速で
あることや位置情報検索をサポートしていることなどが特徴です。詳細につい
はドキュメントをご覧ください。

  * Mroongaの特徴 ― Mroonga v11.03 documentation
    https://mroonga.org/ja/docs/characteristic.html#what-is-mroonga

変更点:
   https://mroonga.org/ja/docs/news.html#release-11.03

### 重要なお知らせ

1.
  このリリースから、パッケージ名が変更されます。
  この変更の影響でこのバージョンにアップグレード後、Mroongaが無効になることがあります。
  このバージョンにアップグレードする場合、以下の点を必ず確認してください。

    * アップグレード後にMroongaが無効だった場合は、Mroongaを手動でインストールし直す必要があります。
      Mroongaの手動インストール及び、Mroongaが有効かどうかの確認については、以下のURLを参照してください。

      * https://mroonga.org/docs/tutorial/installation_check.html

    * また、今後も、Mroonga 11.03をまたいでMroongaをアップグレードする場合は、この現象が発生するので、
      注意してください。

    * このバージョンにアップグレード後に、Mroongaは有効だがバージョンが古いという場合は、MySQL、MariaDB、
      PerconaServerを再起動する必要があります。
      Mroongaのバージョンは以下のコマンドで確認できます。

      * SHOW VARIABLES LIKE 'mroonga_version';

2.
  このリリースには、非互換の変更が含まれています。
  GEOMETRY 型を使用しているユーザーは、Mroonga 11.03にアップグレードする前に現在のデータを保存し、
  アップグレード後に保存したデータをリストアする必要があります。
  上記の処置を実施せずに、アップグレードするとデータが破損するので注意してください。

  データのダンプ/リストアには、以下の方法が使えます。

    * mysqldump
    * アップグレード前に ALTER TABLE ENGINE=InnoDB を実行し、
      アップグレード後に ALTER TABLE ENGINE=Mroonga を実行する。

  この修正を適用しない場合、 INSERT/UPDATE/SELECT/SELECT はうまく動作しますが、
  データはGroongaが誤った(緯度と経度はGroonga内で逆にされます)保存をします。
  そのため、 空間データに対する、 mroonga_command('select ...') が動作しません。

さて、今回の主な変更点は次のとおりです。

### 改良

  * 以下のようにパッケージ名を変更しました。

    * mariadb-server-10.x-mroonga -> mariadb-10.x-mroonga
    * mysql-server-5.x-mroonga -> mysql-community-5.x-mroonga
    * mysql-server-8.x-mroonga -> mysql-community-8.x-mroonga
    * percona-server-5x-mroonga -> percona-server-5.x-mroonga
    * percona-server-8x-mroonga -> percona-server-8.x-mroonga

  * [Debian GNU/Linux] Oracle の MySQL 5.7 と Oracle の MySQL 8.0 をサポートしました。

    このリリースから、新たに Debian GNU/Linux 向けに Oracle の MySQL 5.7 と 8.0 を使用した
    Mroonga パッケージを提供しました。
    これにより、MroongaのDockerイメージをDocker公式のMySQLイメージを使って作成できます。

    なお、MySQL8 のパッケージには以下の制限があります。

      * [ラッパーモード] ラッパーモードは未対応です。
      * [ストレージモード] ストレージモードでは、以下の機能が未対応です。

        * 最適化関連の機能

  * 空間インデックスのSRIDをサポートしました。

    * 今回のリリースから、MySQL8.0で MBRContains 関数を使った検索で、Mroongaのインデックスが使用されます。

  * コンディションプッシュダウンを適用する条件式を増やしました。

    **注意**

      * コンディションプッシュダウンは、MySQLではなく、Mroonga内で条件式を評価します。
        したがって、多くのクエリーは、高速になりますが、Mroongaが条件式を評価することで、
        今までと異なる検索結果を返すことがあります。

        もし、Mroongaが意図しない検索結果を返した場合、以下のURLから報告してください。
        そして、コンディションプッシュダウンを無効にしてください。

          * https://github.com/mroonga/mroonga/issues/

        コンディションプッシュダウンは以下のように無効にできます。

          * SET GLOBAL mroonga_condition_push_down_type = "NONE"

  * [CentOS] Percona Server 8.0.23 をサポートしました。

### 修正

  * 緯度と経度を逆に保存していた問題を修正しました。

    **重要**

      * この修正によって、後方互換性が壊れます。
        GEOMETRY 型を使用しているユーザーは、Mroonga 11.03にアップグレードする前に現在のデータを保存し、
        アップグレード後に保存したデータをリストアする必要があります。
        データのダンプ/リストアには、以下の方法が使えます。

          * mysqldump
          * アップグレード前に ALTER TABLE ENGINE=InnoDB を実行し、
            アップグレード後に ALTER TABLE ENGINE=Mroonga を実行する。

      * この修正を適用しない場合、 INSERT/UPDATE/SELECT/SELECT はうまく動作しますが、
        データはGroongaが誤った(緯度と経度はGroonga内で逆にされます)保存をします。
        そのため、 空間データに対する、 mroonga_command('select ...') が動作しません。


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