mysql:10189
From: "Zen Kishimoto" <"Zen Kishimoto" <zen@xxxxxxxxxx>>
Date: Thu, 16 Sep 2004 12:31:08 -0700
Subject: [mysql 10189] cheapwareが勝つ?
皆様 この記事は最近 http://www.forbes.com/free_forbes/2004/0906/161.html に掲載されました。事例などがふんだんに入り市場動向など も分かるかと思います。私も存知あげているシリコンバレーで VCとしても活躍されている梅田さんがこの記事と他を挙げて 現在のオープンソースの動きを解説されています。 その記事は http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/001629.html?tag=nl にあります。もう一方の記事の訳はまた後ほど。 岸本 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー Cheapware 09.06.04 Daniel Lyons, 企業は高価なソフトに嫌気がさし、ますます値段 の割りには得るものが少なくなってきたと思っています。ある企業 はもっと安い他のものに代えようとしています。残りも その方向で検討しています。 Craig Murphy氏はこの傾向に我慢できなくなりました。Sabreホールディング のCTO (chief technology officer)、世界中で一番大きい航空運賃 と航空券のネットワークのオペレーター、はオーラクルの ような会社からのソフトに何百万ドルもの費用を払ってきました。しかし、 去年オンライン・ショッピング用の新しいコンピュータシステムを 構築する際、スエーデン・ベースのあまり有名でないデータベース の会社のチラシをみました。オーラクルの定価は$160,000のときに チラシにはコンピュータにつき$495と明示してありました。それでどうなったか。 このスエーデンの製品は大成功でした。 Murphy氏はこの低価のソフト を他にも使えないかと考えました。この低価のソフトがMySQL です。 Murphy氏は「このMySQLのデータベースには前のような形でライセンス費を 払いません。まづ払う前にインターネットからダウンロードして 使用してからです。これが将来のコンピューティングだと思います。」 もし、Murphy氏が正しければ、IBM, Microsoftやオーラクルに とっては大変なことです。ユーザは大手の製品とめどを知らない 費用の高騰を避け、MySQLやLinuxなどの地下のバーゲン・セール へ走ります。こういう低価のオープンソースを使用することで Microsoftやオーラクルと値段交渉を有利に運びたいと思っています。 更に、ユーザはソフトを買うことを止める傾向があり、Salesforce.comや Ketera などのプロバイダーからインターネットを通じて、リースする 傾向があります。このリースの方式ですと実際にソフトをインストール してメンテした場合よりも50-80%低いのです。ベンチャーキャピタリスト は Salesforce.comやLinuxのディストリビュータのRedhatの成功に 勇気づけられてオープンソースに何百万ドルも投資しています。それぞれの会社の 市場価値はそれぞれ10億ドルと26億ドルです。 スエーデンのUppsalaに本社を置く、MySQL ABのCEOのMarten Mickos氏は以下のように言ってます。「ソフトに多額のお金を 払う必要はありません。ソフトはコモディティです。ソフト のビジネスはここ20年間、必要以上に賛美されすぎです。」 MySQLはオーラクルの10gエンタープライズ版のデータベース の機能の一部しか提供しません。もちろんコモディティと いっても。2つのはかりに入っている大豆が同じというように 同じというわけにはありません。しかし、小さくて安い製品 が十分役にたちます。 IDCによれば、ソフトはコンピュータシステムの総売げの 9,600億ドルの5分の1を占めます。ハードの売り上げは5年前 の4,600億ドルから今年の推定では3,650億ドルまで落ちました。 これはハードがコモディティ化してDellなどのサプライアーなど が激しい値引き競争を展開しているからです。 しかしながら、ソフト会社は大豆生産者やMichael Dellがもっていない 利点があります。それは追加のユニットを生産するコストが 殆どないことです。そういうわけですから、ソフトを開発することは 映画を作るようなものです。低予算の「The Blair Witch Project」 は成功しました。だからと言って、ワーナー・ブラザースが ハリーポッターの「ハリーポッターとアズカバンの囚人」の映画から 多額の収入を得ることを妨げることはありません。 ソフトのベンダーはユーザの惰性からも恩恵を受けます。 次のノート型パソコンを買ったときCorel社の WordPerfectが Microsoftのワードより安いことを知っているとします。 だのにどうしてまた、Microsoftのワードを買うのでしょうか。 新しい使い方を学ぶのが嫌なのでしょうか。 Microsoftやオーラクルの重役はMySQL は企業の重要なプロジェクトに 使うにはちっぽけで役に立たないと馬鹿にします。このスエーデンの 会社は2004年には総売り上げで2,000万ドルに達します。もっとも オーラクルだったら2,000万ドルは17時間もあれば稼ぎ出しますが。 オーラクルの技術マーケティング担当副社長のRobert Shimpは こう言います。「自分の会社をコモディティの販売社というような会社 から自分の大事なデータを扱う製品を買うべきではない。」 Mickosは自分の会社を大きな会社が無視していることを嬉しく思って います。大手が知らないところで、MySQLは着実に以下の会社の データセンタで顧客を獲得しています。FedEx, Ingram Entertainment, Lufthansa, NASA, Omaha Steaks, Sony, Suzuki、 UPS. MySQLの熱烈に支持するユーザの何社かは他のハイテックの会社です。 シスコは自社のルータにMySQL を搭載しました。GoogleとYahooは自分たち のシステムの中に組み込んで使用しています。アドビは自社の ウエブからのソフトのダウンロードの管理に使用しています。 オンラインの価格比較ショッピングサイトで月に1,200万人がアクセス するPriceGrabber.comはデータベースをMySQLに統一しており 年間のサポート費1万ドルを払っています。同じサポートをオーラクル から受けれれば、10万から20万ドルかかるだろうとPriceGrabber のCTOのCorey Ostman氏は語っています。 Lycos Europe は昨年オンラインのデートサイトをオーラクルから MySQLに変更して年間コストを12万ドルから7千ドルまで削減しました。 現在Lycos Europeの全てはMySQLにマイグレートする最中ですと Lycosのテクノロジー部門のチーム・マネージャーのPer Larsson 氏が語っています。 安く売るためには安く作らなければなりません。MySQLの160名の 社員は殆ど自分の家で仕事をし、会社として殆ど宣伝をしません。 ユーザはたいていの場合インターネットからダウンロードし、 コードは見ることも変更することもできますので、新しい機能や バグフィックスにも貢献してくれます。このため研究開発の経費も 削減されます。MySQL は現在高機能の「stored procedures」や 「trigger」などはありません。もちろん大手の競合はこういう機能 を現在提供しています。しかし、普通の比較的簡単なプロジェクトに はこういう機能は必要ではありません。であればどうして、そういう 機能にお金を払うのでしょうか。 何十年もの間に構築されたパッケージされたソフトのビジネスモデルは 2つにまとめることができます。まづ第一に特別な機能でユーザを 中毒させて、第二に新機能とメンテで顧客から際限もなく金をむしりとる ということです。新機能がなくてもバグフィックスとセキュリティ の穴を防ぐために買い足しを行います。年間メンテ費は1999年 の売値の17.5%から今日の19%と値上がりしました。このデータは サポートプロの会の代表Jeffrey Tarter氏のデータによります。 神聖化されたソフトの伝統とはライセンス費とユーザが所有する コンピュータの数に応じたメンテ費です。SabreのMurphy氏のような人が 新しいコンピュータを追加すると費用が上がります。「我々の スケーラビリティがあがるとベンダーのスケーラビリティも 上がって、ベンダーにより有利となるような仕組みだ。」 とMurphy氏は述べています。 20年に渡ってコンピュータの管理をしてきたMurphy氏にとって 経費がかからない方式があればそれを見逃すことはできません。 たいていのオープンソースのプログラムは顧客に1つ買って貰って 後はどれだけのコンピュータで走らせても構いません。 場合によっては最初の1つでさえ無料です。これはベンダーが サービスやサポートを後で売ろうと思っているからです。 (Linuxのような「free」であるソフトは本当は「無料」ではありません。) MySQLの場合、Murphy氏はサーバー毎に小額のライセンス費を 払い、テクニカルサポート費(公にはしていない)を払います。典型的 な24x7のハイエンドのサポートは50サーバまでで年間 5万ドル程度です。 今日SabreはMySQLを45のインテル社のアイテニアムベース のサーバー上で展開しています。Sabreは今年末までに更にMySQLを 50台のコンピュータに搭載し、来年以降数年のうちに更に 200台に搭載する予定です。金額の詳細は明らかにしませんでしたが Murphy氏はMySQLやその他のオープンソースを使用することで、 航空券購入を実現する費用が80%削減されたと語りました。 「だからと言って、もうオーラクルも使わないし他の商業ソフトを 使わないというわけではありません。でも将来は商業ソフト を使用することはかなり減るでしょう。あるニッチには 商業ソフトが向いているかも知れません。しかし、未来は オープンシステムとオープンソースだと思います。」とMurphy氏 は続けました。 オンラインの証券会社のE-Tradeはサンのハードとソフトを インテルベースのコンピュータとlinuxとApacheに置き換える ことでITの予算を50%削減しました。E-TradeはBeaシステムの製品を やめてオープンソースと取り替えることを検討しています。E-Trade は現在まだ IBM, オラクルやサイベース製のデータベース を使用していますが、「我々は他の方法や製品を考慮します。」と E-Trade のCTOのJoshua Levine氏は述べています。 Joshua Levine氏は続けて、「私たちにソフトを売る会社は彼らの 収入源を確保するという彼らの要求と私たちのイノベーションへ の要求の間にあってバランスを取ろうとしています。しかし、 このバランスは必ずしも我々にとって良いというわけではありません。」 とJoshua Levine氏は続けます。現在のソフトの供給社は (名前を伏せて教えてくれませんが)、典型的な金儲けの 会社で大して新しい機能をくれません。オープンソース に代えるかもしれないという脅しが価格の交渉の際有利に なります。初めてオープンソースがあるために、顧客の 方がソフトのサプライアーよりも優位に立てるのです。」と 続けました。 ウインスコンシン州のマディソンにアメリカの拠点をおく フランスのソフト会社のEskerは去年シーベルからのCRMのソフトを インターネットでアクセスできる Salesforce.comに取り替えました。 Eskerは年間Salesforce.comに$120,000 払いますが、これは自分 のデータセンタでシーベルのプログラムを使うときの$250,000 より安いです。 シーベルはうまくマーケティングをしました。最初のインストールから 2年後、Eskerは新しい版にアップグレードするように薦められました。 これには、新しいハード、ソフト移動に関する費用、と新しいライセンス 費用とメンテ費用です。「もし、前の版を使用し続けるのであれば、 メンテ費を年間$50,000から $70,000に引き上げると言われました。」 とCEOのJean-Michel Berard氏が語ります。それで彼はアップグレードする 代わりにシーベルを根こそぎ取り除きました。 シーブルもオーラクルもおびえています。両社は「掛かっただけの 代金を払う」ASPモデルでユーザにソフトを提供することを始めました。 しかし、ライセンスモデルからサービスモデルに変更するには短期では なかなか苦しいものです。大部分の収入は利益レポートに反映されます。 レポートでは収入を何ヶ月ときには何年にも渡って分割して掲載する 必要があるからです。 「このビジネスモデルの変更は殆どの会社にとって非常に困難だ。 ASPの会社を新たに全くの白紙から作りあげるようなものだ。」 とKeteraテクノロジーのCEOで25年に渡りソフトの業界を歩いてきた Stephen Savignano氏は語ります。Keteraは購入用ソフトとサービスを オンラインで提供します。18ヶ月で50の顧客を獲得しました。 Savignano 氏 はKeteraのチャージはライバルの Ariba(普通にソフトをインストールして 運営するモデル)に比べて80%安く提供できると述べました。 古き良き時代はソフト会社は金を印刷するライセンスを持っていたが、 「そんな時代は終わり、もうそういうことはないだろう。」と述べています。 --------------------- Zen Kishimoto zen@xxxxxxxxxx IP Devices, Inc. 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